森健『
天才とはなにか?
』(数研出版)を読了。けっきょく天才とは何なのか判然としないのだが、いくつかの興味深い知見は得られた。
その中でも「メンサ」と呼ばれる高IQ保持者の会員組織があるという話はちょっと意外だった。Wikipediaから少し拾ってみよう。
メンサ(MENSA)とは、入会条件を上位2%のIQを有する者に限定した国際的な団体であり、高IQ団体としては最も有名かつ長い歴史を持つ。普通の人には理解されにくい高い知能を持つ者同士の交流を、その主たる目的とする。会員数は全世界で約10万人。約40カ国に支部を持つ。
(参照:Wikipedia:メンサ)
日本の会員数はWikipediaには記載されていないが、メンサのホームページによれば会員数は300人ほどで、他国支部の人口比率と比較すると低い感じが否めない。特別扱いが受け入れられにくい日本の教育事情が影響しているのだろう。
私が高IQを持つ人たちの集団があると聞いて驚いた理由はいくつかあるが、その中の一つにIQの測定法をどうするのかという疑問があったからだ。素人判断だが、IQとは実際の年齢と精神年齢の成熟度合いを比べた値だと理解していた。例えば10歳のときに15歳相当の考え方をするからといって、30歳になったときに45歳相当の考え方をしているのを「知能発達」だと言う人は少ないだろう。この場合、むしろ「老獪だ」という表現の方が妥当だ。だから大人になってこの組織に入会する際のIQの基準測定はどうやっているのか、それが気になっていた。
大人になってからのIQは、知能の発達を測定するというよりも、知能の遅滞を測定することに適しているように思う。そのあたりは山本譲司『
累犯障害者
』(新潮社)が詳しい。服役囚が刑務所に入所するときには必ず知能検査が施されるが、その1/4が知的障害に分類されるという。そして彼らはシャバで公的福祉を得られないので、最低限の生活が保障される刑務所に入るため、何度も微罪で逮捕される。刑務所が福祉のセーフティーネットになっているという驚くべき実態を描いた好著である。
もっともメンサのサイトによれば、彼らは年齢が変わっても訓練してもIQは変化しないという考え方をとっているそうだ。IQの定義自体が私の理解と異なっているのだろう。
訓練しても獲得できる能力でない才能、つまり生まれながらの才能といえば、「酒が飲める・飲めない」に近い。酒好きの同好会がいっぱいあるのなら、知能指数が高い人たちによる同好会もあっていいじゃないか、会員達はそういう発想で集まっているようだ。
「自分は特別だ」「自分は天才だ」と自負する方々の集まりである。衆生が彼らに神聖結界を感じるのはやむを得まい。
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